金属屋根をはじめ、鉄製の階段やシャッター、雨戸、フェンスなど住宅には様々な箇所に金属が使用されています。
金属にとって大敵なのが錆。錆は金属を腐食させて穴をあけてしまいます。
錆を防ぐために欠かせないのが錆止め塗料です。
今回は錆止め塗料の役割や必要性、種類についてご紹介します。
錆止め塗料の役割とは?
錆止め塗料は、金属の腐食を防ぐ効果がある塗料です。
錆は金属の表面が酸素や水に触れて酸化して酸化物になることによって発生します。
錆止め塗料を金属の表目に塗ることで膜を作り、錆の原因となる酸素や水からシャットダウンして錆を防ぎます。
錆止め塗料が必要な場所
錆止め塗料が必要なのは金属類で、使用できるのは鉄、鋼材、亜鉛メッキ、アルミ、ステンレスです。
住宅でいうと、ガルバリウム鋼板やトタンなどの金属屋根、金属瓦、棟板金などの板金類、金属系サイディング、雨樋、雨戸、ポスト、フェンス、屋外階段などが当てはまります。
特に海沿いの地域では海から運ばれてくる塩によって金属が錆びやすく、錆止めによるメンテナンスが欠かせません。
こうした鉄部に錆が発生すると腐食が進んで、部分修理や塗装では対応できず、全体交換など大きな修理が必要となります。そのため定期的な塗り替えが重要となります。
錆止め塗料の種類
錆止め塗料は昔は鉛系やクロム系が使用されていましたが、人体や環境への有害性が指摘されており、現在では鉛クロムを含まない錆止め塗料が主に使用されています。
主な錆止め塗料の種類には、大きく分けて油性系、合成樹脂系、エポキシ樹脂系があります。
油性系錆止め塗料(油系1種)
油性の錆止め塗料は、塗装すると膜が厚くなり、密着性と防錆性能が高いという特徴があります。しかし膜が厚い分乾燥に時間がかかるというデメリットもあります。防錆性が高いため、錆びやすい環境での屋外に向いています。
合成樹脂系錆止め塗料(油系2種)
合成樹脂系は油性系の2種に分類され、紫外線に強く乾くのが早いというメリットがあります。しかし防錆性能は油性系1種に劣ります。
紫外線に強いため、日当たりのいい屋外に向いています。
エポキシ樹脂系錆止め塗料
現在主に使用されているのがこのエポキシ樹脂系の錆止め塗料です。
エポキシ樹脂系錆止め塗料はエポキシ樹脂に錆止め顔料が含まれています。
エポキシ樹脂系は水や薬品に強く、油性系よりも耐久性が高いのが特徴です。さらに速乾性にも優れ環境にも優しい種類も販売されています。
しかし紫外線には弱いというデメリットがあり、また組みあわせて使う塗料との相性によっては耐久性が低下してしまうことがあります。
屋内や室内で使用する場合には、弱溶剤または水性の種類を使用すると臭いが少ないため向いています。
錆止め塗料の色の種類
錆止め塗料といえば赤茶色のイメージがあるかと思います。
これは昔主に使用されていた鉛系の錆止め塗料の原料である鉛丹、亜酸化鉛、塩基性クロム酸鉛が赤い色をしていたためです。
しかし現在では人体や環境への影響から鉛系の錆止め塗料は使用されなくなり、それにつれて様々な色の錆止め塗料が増えてきました。
錆止め塗料の基本色は、白、赤、グレーです。他にもアイボリー、ブルー、グリーン、チョコレート、ブラックなどがあります。
プロの現場ではグレーや赤さび色が最も使用されており、これは仕上げ塗料の色によって使い分けています。
仕上げの色が黒やこげ茶など濃い色の場合には赤錆色の錆止め塗料、仕上げ塗料がベージュなど明るい色の場合は白やグレーを使用します。
錆止め塗料の効果を発揮するには下地処理が重要
錆止め塗料を塗る際に重要なのが、塗料を塗る下地にたいしてケレンという下地処理です。
ケレンは下地の状態に合わせて手工具と電動工具など専用の道具を使って錆や落とす作業です。
もしも錆や汚れがついたまま錆止め塗料を塗装しても下地への密着性が弱く、下手をすると数か月で塗装が剥がれたり、また落としきれなかった錆から錆が発生してしまいます。
そのため錆止め塗料を効果的に使用し、耐久性を持たせるためにはケレンによる下地処理が欠かせません。
錆止め塗装のタイミングは?
錆止め塗装を塗り替えるタイミングは5年です。
錆止め塗装は錆を防止するもので、経年によって徐々に防錆効果が低下していきます。
外壁塗装の塗り替えは10年前後ですが、それに合わせて鉄部の塗装を行っていると劣化が進んで下地調整に時間と手間がかかり、その分コストがあがってしまいます。5年程度であれば下地処理もそれほど大変ではない状態で塗り替えを行うことで劣化を防ぎコストも安く済みます。
塗膜の光沢が失われたり、手で触れると粉がつくチョーキング現象が発生していると劣化のサインですので、塗り替えをご検討ください。
まとめ
金属屋根や板金、シャッター、門扉など住宅の鉄部に欠かせない錆止め塗装。
錆が発生してしまうと見栄えの問題だけではなく、どんどん腐食を起こしてやがて穴をあけ、雨漏りなどの被害を起こしてしまいます。
油系やエポキシ樹脂系など様々な種類がありますが、それぞれ特性があるため塗る場所にあわせてそれぞれの特性を考慮して選ぶことが重要です。
錆止めの効果を発揮するには下地処理が欠かせません。そして、錆止め塗料も劣化するため定期的な塗り替えによるメンテナンスが鉄部を守るためには重要です。
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【鉄骨塗装に関する施工実績】